不動産のご相談事例
不動産に関するお悩みのご相談をお受けしました
おはようございます。
先日、このような不動産絡みのご相談をいただきました。
家系図から順を追って説明します。
①父がお亡くなりになられました。
②その2週間後に、ご相談者のご主人さんがお亡くなりになられました。
③父名義のマンションと土地があり、一旦その財産はすべて「母」名義に。
※現金がなく、相続税は借金をして納付
④身内の知らないうちに土地(イ)に兄の名義が半分入っている。
⑤土地(ロ)の敷地内に古い家が1件建っており、そこに依頼者の長男B(学生)が住んでいる
⑥生前父は土地(ロ)にマンションを建築するという野心をもっており、その願いを叶えたいと姉が数社にマンション建設に関するプレゼンを依頼。○○建設が第一候補。
⑦築40年のマンションは姉が管理しているが、築年数に応じた維持費は借金で補填。この時点で相続税も借りたお金総額1700万円
⑧土地(ロ)に建築するマンションの総工費は3億円。最上階に母と姉が住める部屋を作ると提案。
管理は〇〇建設。家賃収入はすべて借金返済にあてるとして○○建設がすべて受け取る形になり、手元には一切入ってこない。節税対策と新しい家に住めるというメリットだけ。35年後、借金返済が終わった時点で利益が出ていれば、それは手元に入ると説明。その間は古いマンションで生活費を工面しましょうと。
⑨母は高齢でアルツハイマー病を発症しており、意思能力はない状態。現在は姉が看病している。
依頼者さまのご相談は次の通りです。
・マンション建築にかかる費用の3億円は母名義で、その連帯保証人に姉から、自身と長男Bの2人で話を進めたい。
・土地(ロ)上に住んでいるBの家が邪魔になるので、退去する必要がある。
保証人になってくれたら、Bには築40年のワンルームの部屋を準備する。
・兄は母の面倒を見てくれない姉はご立腹。土地(イ)にも知らない間に名義が入っていたりと、犬猿の中となり、母の財産は兄に譲りたくない。
姉からの提案を受け入れるべきかどうか
普通に考えて、ご相談者さん家族にとっては何のメリットもないですし、お姉さんも建設会社の口車に乗せられているだけのように思いました。
私が考える問題点は以下の通りです。
・土地がほぼすべて「母」名義になっている時点で、2次相続時に多額の相続税が発生する。
※1次相続の段階でも借り入れをしている。
・母が亡くなった際の借金問題。連帯保証人という立場から銀行は名義人変更を依頼してくる。
・連帯保証人になるメリットのひとつが、築40年のマンションに住めるというところだけ。
逆に将来結婚や転勤で住まなくなる可能性の方が高い。
・長男Bがまだ学生にもかかわらず、3億円の連帯保証人にさせようとする○○建設は会社の利得しか考えていない。
・実際に相続が発生した場合、マンションだと遺産分割の話が出てきたとき、金銭で解決するしかないが、仮に兄が金銭を要求してきても手持ちがないから支払えない。さらに売ったお金で支払おうにもマンション等の収益物件はそう簡単には売れない。付け加えてローンが残っていれば、収益率が相当よくなければ、誰も手を上げません。結果的に負の遺産となり、「相続放棄」の手立てしかなくなるといった図式が明白です。
私が考える改善策
「長男Bが保証人を受けない」こと。これに尽きると思います。
引き受けても何もメリットはありません。
逆にマンション建ててしまった後の方が、のちにくる「2次相続」でさらに揉める原因となります。
祖父の想いを叶えてあげたいという姉の気持ちもわかりますが、それよりも残された方たちの幸せを考えるなら、今のうちに土地(ロ)を売却して、いくらかなりでも借金を返済する方がいいと思います。
ただそれはそれで、祖母の「後見開始の手続き」も必要となるので一筋縄では行かないですが・・・。
建築会社は「建てさせてナンボの世界」
いくら「建築後の維持管理もすべてお任せ下さい」と説明しても、名義人はご家族なわけですから、どうしようもなくなったら間違いなく手のひらを反してくるでしょう。
現金で建てられる、もしくは税金対策で融資を受けられる方もいらっしゃいますが、今回のように現金がなく、土地はあるといった方が無理に融資を受けてまで建てるメリットはまずないと私は思います。
むしろこれから少子高齢化に伴い、「空き家」が増えていくと言われている昨今。新築の受注件数は毎年減少傾向にあります。現時点でも全国の賃貸住宅も含めた空き家件数は820万戸と言われています。
そんな中でお金を借りてまで「空き家」を増やす必要はありません。
どちらにせよ、今回のお話としては「マンション建築」はやめるべきとお伝えしたうえで、改めて全員で今後のことをお話し合うことが先決ではないですか?とも提案しました。
不動産「無料」相談受付中
このようなお困り事をお持ちの方は水面下ではもっといらっしゃるかもしれません。
実際このようなお悩みを「どこに相談したらいいかわからない。」というのが本音ではないでしょうか?
弊社は不動産全般に関するご相談、特に「相続」に関するご相談は最近増えてきております。
笑顔の道先案内人である「相続診断士」の私、橋本(はしもと)が承ります。
もちろん費用はいただいておりません。何かお困り事がございましたら、お気軽にご相談下さい。