お預かり物件の掃除に行ってきました

売主さまより売却依頼をいただいている中古住宅

本日は売主さまよりご売却の依頼をいただき、現在弊社窓口で販売しているこちらの中古住宅のご紹介です。
詳細はこちらをクリックしてください。室内動画も掲載しております。

とにかくご案内が多い

図面をご覧いただいてもわかる通り、部屋も多くて広い住空間と屋上付が特徴のこちらのお住まい。
なかなかこんな間取りはないので、結構目を引くんですよね。
そして毎週１件はご案内が入り、購入をご決断いただくお客さまも指折り数えるほどいらっしゃいましたが、すべて成約に結び付いておりません。

気に入っていただけるのに成約に結びつかない理由

実はこちらの物件は「違反建築」物件になります。
どういうことかというと、建築基準法で定められている「建蔽率」と「容積率」が規定値を遥かに超えているため、お客さまが購入を決意しても購入するためのお金を銀行が貸してくれないのです。

建蔽率と容積率について

まずご存じない方もいらっしゃると思うので、建蔽率と容積率を図式でご説明します。

わかります？こんな感じです。

で、今回の物件は・・・

超えたらいけない数値を大幅に超えております・・・

通常、容積率とはこんな感じです。それが・・・

見事に建蔽率・容積率ともに超えてはいけない領域をいとも簡単に飛び越えちゃってます(´Д⊂ヽ

何故このような家を建築出来たのか・・・

そもそも建築基準法という法律があって、何故そのルール内で建築されていないのか疑問に思いませんか？

理由は「検査していないから」になります。

建物を建築する際に今も昔も存在している「建築基準法」、施行は昭和２５年１１月。
建物を建築する際に、都道府県や市区町村の建築主事または民間機関である指定確認検査機関に、所定の確認申請書と設計図書等を提出し、法令制限も守られているかチェックされたのち「この図面で建てていいですよ～」と建築確認番号というお墨付きの番号をいただいてから建築し始めるんですね。

それは今も昔も変わりません。
しかし、昔はその建築確認番号をもらった後に、現場では承認された図面と全く違う家を建ててるんですよ。
例えば、２階建の申請なのに３階建を建てるとかですね。

何故そんなことが出来たのか・・・

当時は書類上のチェックのみで、役所も現地を見に行かなかったんですね。
図面通り完成しているかどうかをチェックする「完了検査」という制度も以前からありましたが、強制ではないので、検査を受けていない建物が多く存在します。

これを総称して「違反建築物件」と言います。

近年の新築住宅は銀行が「完了検査済証」がない物件にはお金を貸してくれなくなっているので、このようなことは無くなりましたが、高度成長時代にはよくあったお話のようです。

今回の物件はそういった類のものになります。
当時の建築確認申請の内容を市役所で閲覧しましたが、書類では建蔽率と容積率は規定範囲内に収まる図面で申請されていましたが、結果的に現地でさらに大きくして建築されたと推測されます。
とはいえ、家として粗悪なものかというとそうではなく、住んだら罰則があるかというとそうでもありません。
ただ、購入するためにお金を銀行から貸してもらいにくいという面があります。
どういうことかというと、銀行は購入される物件を担保としてお金を貸してくれます。
例えば、Ａさんが借りたお金を返せなくなった場合、銀行はＡさんの買った家を売却してお金を回収しようとするのですが、近年はこのような違反建築物件は銀行の評価も低く、なかなかお金を貸してもらいにくくなっているのが現状です。

そのため、購入出来る方は「現金一括」で購入していただくか、ある程度の「自己資金」をお持ちの方に限られてしまいます。