道路に接道していない土地売却の話
隣地の空き家を購入したい
先日、知り合いのBさんからこのような不動産のご相談いただきました。
長年空き家で放置されている隣地の不動産を購入したいから力を貸してほしいとのこと。
空き家は治安悪化の原因
空き家は放火や老朽化による建物倒壊などの治安の悪化に繋がります。
旧家では瓦が落ちたり、風でふき飛んだりすることで人に当たったり、近所の家に被害を与えてしまうなどの問題を引き起こしています。
また、そもそも使用していない空き家を補修する費用がもったいないということから、手放されるお話も増えてきています。
特に今年は台風が直撃し、京都府下の家屋にも多くの被害をもたらしたのも、ご相談が多い要因かもしれません。
※台風で発生した被害は保険が適用され、補修費も実費払いすることもなかったようですが、もし「空き家だから保険なんて必要ない」といって保険をかけていなかったら・・・と考えると恐ろしいですね。
それでも未だにご自身の代では手放すことなく、空き家を所有なされている方も多いのが現状です。
隣の空き家を購入して、土地を広げたいBさん
Bさんが購入したいと考えている不動産とご自身の土地関係がこちら。
Bさんがご利用されている建物も同じく老朽化が進み、建て替えを検討している中で、せっかくなら隣の空き家も購入し土地を広げることで、大きな建物が建築したいと考えておられました。
ご相談をいただき、空き家をご所有されている「Aさん」の連絡をお調べし、実際にお住まいまでご売却いただけないか?とご相談に伺ったのですが、結果的には良いお返事をいただけませんでした。
その後、Bさんに事情を報告してそれで私の仕事は終わりとなりました。
ただBさんが独自で再度交渉に行かれた結果、Aさんにもご理解いただくことが出来、「購入することが出来そうです!」とご連絡をいただきました。
お力添えは出来ませんでしたが、なんとか無事売買出来ることになったことを良かったなぁ~と思うのも束の間、1ヶ月ほどしてから、Bさんから「破談になりました」という報告を受けることになりました。
空き家で所有され続ける理由は様々・・・
理由はまだ建物内にお仏壇等があるからというお話だったそうです。十数年も空き家にお仏壇を置いている時点で罰当たりな気もしますが・・・。
推測するにこんなご理由からではないかと思っています。
・持っていても固定資産税だけ払っておけば何も問題がない
・本人も高齢だし、自身の代で色々動くのも面倒くさい
・そもそもお金に困っていない
・持っているからと言って、何か不自由があるわけでもない
他にも理由はあるような気もしますが、大方このようなご理由ではないかと思っています。
確かにご自身の代では特に問題にならないとは思いますが、本来ここで考えなくてはいけないのは「相続」です。
元気なうちから「相続」のお話をしよう!
Bさんがご所有する不動産は道路に面していますが、Aさんがご所有されている不動産は建物を建築する上での道路接道の条件を全く満たしておりません。
今回のお話はそんな単独では再建築出来ない不動産を隣地所有者Bさんが建替え用地として購入してくれるというとてもラッキーなお話でした。
もちろんBさんにとっては資産価値が上がる不動産なので、それ相応の金額を提示されていたわけですが、残念ながらAさんから撤回されることとなりました。
非常にもったいないお話です。
何がもったいないかと言うと、実はAさんはもうかなりのご高齢です。大変失礼なお話ですがいずれお亡くなりになられることは間違いありません。
お亡くなりになられて考えなくてはいけないのが「相続」の問題です。
皆さん考えてみて下さい。売れない不動産と現金。財産を受け継ぐとしたらどっちがいいですか?
現金であれば、もしご兄弟がたくさんいらっしゃったとしても財産分与も楽でしょう。
税金が発生するほど資産があったとしても、そのお金を持って納税することも可能です。
逆に不動産だった場合、現金化するためには、まず「売却すること」が必要です。
では再建築出来ない不動産は通常どれくらいで売れると思いますか?
やはりその土地相場の半値以下になる可能性は十分考えられます。場合によっては売れないこともあるでしょう。
もちろんBさんが購入してくれれば何ら問題ありませんが、建物を建築したのちに不動産を買い足したところで意味がありません。
価格がかなり安いようであれば購入も検討なされるかと思いますが、今回提示された金額で購入されることはほぼないでしょう。
今回は土地を広げず、現状の土地の大きさの範囲内で建てられる建物を建築されると伺いました。
「不動産」は争族になる要因のひとつ
高齢者のほとんどは「もう年だから何もしたくない」とお考えの方が多いようです。
相続のことを考えなくてはいけないのは、その取り巻きの人たちです。
売れない不動産が相続財産としてまわってきても、売れないから現金化できない。
不動産は持分を登記することは出来ますが、現金精算となると必ず揉める原因になります。
だからこそ「相続を受け継ぐ人が今のうちから、今後のことを話し合う場を作りましょう」とご提案しています。
そうすれば想いを共有することが出来、相続が発生したとしてもスムーズに、そして笑顔で迎えられると思います。
人はいずれ死にます。
年を老い、弱々しくなると何もしたくなくなります。
だからこそ元気なうちにお話し合いをしていただきたいと感じた不動産の相談でした。
空き家と相続のことで困ったら・・・
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
空き家と相続で困った時は「センチュリー21すまいる」にご相談ください(^-^)
※向日市内を走る「センチュリー21バス」を見かけたら、写真撮ってインスタグラムで投稿お願いします(笑)
ハッシュタグは「#すまいるラッピングバス」で!